インテリアコーディネーター荒井詩万のブログ

【Paris 6】ディオールの世界を体感できる圧巻の美術館『DIOR LA GALERIE』

パリのクリスチャン・ディオール本店横に併設された2000㎡の巨大な『DIOR LA GALERIE』ディオールギャラリーへ。
クリスチャン・ディオールの生涯から、オリジナルスケッチ、オートクチュールコレクションの数々やモデルたちを飾ったアクセサリーなど見応えのある内容。

内部空間も素敵!ときめかない女子はいないw

カフェもかわいかったぁ^_^

お針子さんの作業風景を見ることができました。

余談ですが…
帰りの飛行機で見た映画『オートクチュール』。
舞台はまさに「ディオール」のアトリエ。
引退を目前に控えた孤高のディオールのお針子と、郊外に暮らす移民二世の少女。
少女がスリをすることから、出会うことのなかった二人の人生が交差していきます。

ハイブランドを着こなすマダムたちが優雅にお茶をしている一方、移民の少女がスリをしている。以前ほんとにパリで娘と年が変わらない少女たちのスリに合い(未遂でしたが)とてもショックを受けました(^^;
そんな“今”のパリの明と暗が描かれ、でも、やっぱり美しいものは人の心を動かし希望を与える物語。
生きてるって素晴らしい。
リアルなパリを感じてきたので、より胸がいっぱいになって号泣しました。

【Paris 5】「MAISON & OBJET PARIS 2022」インテリアトレンドレポート

「メゾン・エ・オブジェ」、行ってきましたぁ!
パリからはタクシーで40分ほど、シャルル・ドゴール空港に近い見本市会場で開催されています。
1〜6ホールに分かれていて、家具や照明、食器などテーブルウェア、フラワーベースや鉢などライフスタイル全般の最新商品を見ることができ、実際に取引交渉がされています。こちらは4ホール前。
会場をまわったトレンドレポートをお届けします!

【カラー】
アースカラーは健在、自然の大地や豊かな実りを表すようなモスグリーン、マスタードなどくすんだ大人色が多く見られました。
中でも、数年トレンドとして続くテラコッタよりもさらに深い黄赤の“バーントシェンナ”が注目!
バーントは「焼いた」、シェンナはイタリアの土地名。シェンナで産出した土を焼いてつくった顔料のような赤みがかった褐色です。

こちらはブース内につくっちゃったカフェ。
規模がすごいですよね!
壁、チェア張り地、天井に使われています。
ヒョウ柄のカーペットと組み合わせるかぁ。素敵!

【素材】
こちらも数年続いていますが、ラタンと藁。
特に照明はこればかり。ちょっと見飽きるくらいw

会場内のカフェ、見た時に吹き出してしまったw
なんかもう藁祭り!

【デザイン】
アールデコのようなクラシックで丸みのあるデザインの家具や照明が多く見られました。

劇的な変化はないものの、ゆるやかに変わっている部分も感じました。詳細については、『荒井詩万インテリアサロン』内で最新インテリアトレンドトークショーを開催します♪

『インテリアライフスタイル2022』にて展示ブースデザインをしました!

6月1日〜3日に東京ビックサイトで開催中の『インテリアライフスタイル2022』。

出展される「アナザーハンドレッドイヤーズ」様の展示ブースをデザインしました!
次の100年につながるイタリア、トルコ、日本の手仕事でつくられるものを取り扱う素敵な会社です。

トルコのアナトリア山脈からしか採掘されない天然石。光源により美しく色が変わる石を、日本の若手ガラス職人さんが手仕事で仕上げ、照明「Sf7c」として商品化。この度、お披露目となりました!

照明を拝見して、イメージは「レトロポップ」に。
懐かしいような新しさ、若い感性が生み出す瑞々しさを表現できたらいいなぁと考え、レトロ感のある曲線的なデザイン&カラフルで“今”を感じる提案。
遠くから見ても目を引くように考えたオリジナルデザインの壁紙がポイントです。

チェアはドリアデとジャン・プルーヴェのスタンダードチェアをセレクト。
照明とぴったり!とご好評いただきました。

初日、たくさんの方が足を運びくださいました!
私のスマホで撮影したものをアップしますね^_^

2日、3日にご来場される皆さん!
残念ながら私はいませんが、ぜひお立ち寄りいただきじっくりご覧くださいませ♪

ちなみに、フライヤーは私のデザインした壁紙にリンクして作成いただいています。かっこいい(^^)

「メゾン・エ・オブジェ・パリ展」へ

日本橋高島屋で開催中の「デザイン・ダイアローグ メゾン・エ・オブジェ・パリ展」へ。
ほんの少し海外展示会の雰囲気を味わってきました。でも、1歩出るとデパートだから物産展やってたw
トレンドはここ数年に見られる「自然の要素」は変わらない。特にコロナ禍、ますます求められている。
オーセンティック、有機的なフォルム、プリミティブ。水と土、あと鉱物。この辺がキーワードかな^_^
東京は3月21日まで。その後、京都、そして名古屋といずれも高島屋を巡回するそうです!
https://www.takashimaya.co.jp/store/special/maison-objet/top.html

江之浦測候所に行ってきました!

昨年10月にオープンした「小田原文化財団 江之浦測候所」。
現代美術作家 杉本博司さんが手掛けるアートであり建築である施設。「CASA BRUTUS」で見て、これは絶対行きたい!と思っていまして、先日主人と行ってきました。
東海道線 根府川駅から送迎バスで約10分、太平洋を一望する高台にあり完全予約制です。

測候所?なぜ?測候所は天気だけではなく地震・火山・海洋など自然全般の観測を行う施設のことよね。アートなのに?建築なのに?

いただいた冊子に杉本さんの言葉があります。「悠久の昔、古代人が意識を持ってまずした事は、天空のうちにある自身の場を確認する作業であった。それがアートの起源であった。新たなる命が再生される冬至、重要な折り返し点の夏至、通過点である春分と秋分。天空を測候する事にもう一度立ち戻ってみる、そこにこそかすかな未来へと通ずる糸口が開いているように私は思う。」と。

なるほど。ここを訪れてわかりました。空を見上げ、海を見る。風を感じる。日の光を浴びる。自然を測候する場所。古代から近世までの様々な素材や工法を研究してつくられた建築やランドスケープ。ここにしかない空気の中、凛と佇んでいます。
フツフツとした静かですが強烈なエネルギーを感じ心震えました。かなりおすすめです!

【Milano 4】 圧巻のモーイ空間に大興奮!

イタリア滞在レポート4!
オランダ発インテリアブランド「moooi」(モーイ)。
オランダ語で「美しい」の意味「mooi」に、さらなる価値をという意味を込め「o」をもう1つプラスした造語だそう。クラシックやオリエンタルと現代的なデザインが融合した家具、日本では「トーヨーキッチン」が取り扱っています。正直に言うとデザインが独特でなかなかコーディネート提案することがなく、あまり興味がありませんでした。が、今回その世界観にすっかり魅了されてしまった!
「moooi」は、ミラノ中心から少し離れたフォーリサローネ トルトーナ地区で展示がありました。
コンセプトは「ホテル」。展示全体のそのぶれないコンセプト設定がすばらしかった。
普通に家具や照明を並べて陳列するのではなくコンセプトありきで見せることで、独特なmoooiの世界観を身近に感じながら堪能できました。企画展示の参考にもなるわ♪
今回のミラノサローネで一番印象に残る大興奮の展示、たっぷりご紹介します。

入口を抜けてまず目に入るのがこちら。moooiホテルのフロントデスク!部屋の鍵がかかっています。
進むと各部屋へと続く廊下、壁はファブリックパネルになっています。脇にはトランクを運ぶカート。
ようこそ!ラウンジで寛いでくださいね。
今日泊まる部屋に着きました。と言ってもそこはmoooi、どこを見ても個性豊かなデザイン。
クローゼットを開けるとバスローブにランドリーバッグ。トランクを開けて服をハンガーにかける。
ふ~っとストッキングを脱いでリラックス。わかる!私もホテルの部屋に入るとよくやる光景(笑)
小物1つ1つの細部まで思わず「クスッ」と笑ってしまう凝りよう。ベッドルームとデスク。ルームサービスのパンや卵が置いてあります。
無造作にベッドに置かれた部屋の鍵。アメニティはよく見るとmoooiのロゴ!もう心憎いほどの演出。
その他にも休憩できるスペースやバーがありますよ。
というストーリーのある展示がされていて、単体で見るよりも圧巻のコーディネート空間でした。

ソファのチェア?! 発想力とそれを形にするパワー。なんかもうただただ楽しい!笑

こちらは新作のテーブル。鮮やかなデジタルプリントの花柄が話題になったラグ、そこからにょきっとキノコのように生えて見えます。ありそうでなかったデザイン。
思わず「うわぁ!」と声が出てしまった照明の展示。ぜひ提案したいなぁと思うのでした♪

【Milano 3】ワクワクする心ときめくデザイン

イタリア滞在レポート3!
クールモダンなデザインも素敵ですが、遊び心があるワクワクするデザインは人をハッピーにします!
ミラノで私がワクワク、思わず「わぁ!」と笑顔になった心ときめくデザインをご紹介します。
まずはミラノサローネ フィエラ会場内にて、「GERVASONI」のブース。
なになに~!!これかわいい~!と超楽しそうな私(笑)Kartell」、色で溢れたとてもおもしろい展示でした。
こちらは吉岡徳仁さんの新作デザインのチェア。
軽やかできれい!短パンだと太ももにあみあみがつきそうだけど(笑)

フィリップ・スタルクの新作チェアはオレンジの塗装がいい色だわぁ。
座面高が低いのでラウンジチェアとしてソファに合わせてもアクセントになりますね。
Kartellらしいカラフルなアクリル&LEDライトのランタン、アウトドアでも使えます。
こちらは世界的なアウトドアファニチャーブランドとして知られる「DEDON」。
繊細な籐の織込みは私たち日本人にも親しみがあります。遊び心満載なデザイン!
THONET」の曲げ木椅子。こんなに曲がっちゃうよ~アピールか(笑)CARLHANSEN&SON」では職人さんがYチェアの座面張りを実演中。
丁寧に編み込んでいく手仕事はすばらしく、見入ってしまいました。
ふと目に入った腕のタトゥー。えっ、Yチェアだよ!おじ様のYチェア愛は半端ありません!笑

最後に会場以外、ミラノの象徴ドゥオモ隣にある「MUSEO DEL NOVECENTO」をご紹介します。
2010年にオープンのモダンアートが収集されているミラノ20世紀美術館。
最上階にはアンディ・ウォーホールの「Sixty Last Suppers」が展示されていました。
ウォーホールとFLOSの照明、そして何といってもドゥオモとヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガッレリアが見えるという贅沢な空間。おすすめです!そして、行ってきたのにやっぱりガッレリアの名前が覚えられません(汗)

伝統と革新、クラシックとモダンの融合。ヨーロッパのデザインのすばらしさを痛感します。

【Milano 2】 私目線のミラノサローネトレンド情報

イタリア滞在レポート2!ミラノサローネ フィエラ会場。
まず驚いたのがどのブースも6日間で解体するとは思えないすごい展示のつくりこみ!
圧巻だったのが「Minotti」(ミノッティ)、螺旋階段がある2層でスペースがとても広い。
私もインテリア関連のイベント展示をさせていただいているのでわかりますが、これだけのつくりこみにはかなりの人とコストを使っているかと。さすが世界最大イベント、スケールが違います!

滞在レポート1でもお話した通り、ミラノサローネ及びフィオーレサローネ全体を見るのは難しい。
それでも、たくさん見すぎて写真撮影をしすぎて頭の整理をするのが大変(笑)
今回は日本でもお馴染みの主要ブランドを中心にまわりました。その中で私目線ではありますが、3つのトレンドを挙げさせていただきます。

■ 差し色を効かせる
グレー・ブラウンをベースに差し色を加えるレイアウトがとても多かったです。
トレンドカラーとしてはマスタードイエロー、オレンジ、グレーブルー、グリーン。特にオレンジが気になりました。


このソファ、そこにパイピングを入れるのね!という遊びとこの色合いにうっとりしました。

フィオーレサローネ ブレラ地区のショップ、オレンジがピリッと効いています。

■ レトロモダンなデザイン
ころんとした曲線のレトロモダンなデザインが多く見られました。

■ ジャパニーズデザイン
一番印象に残っているのはジャパニーズデザイン、日本的なデザインが多く見られたことです。
2020年の東京オリンピックを控えているので日本ブームが来ているのかしら?笑
MOOD」のブース、神社を彷彿とさせる朱色のチェアアームと傘のようなフロアーライト。

ディスプレイに置いてある本には日本のお面。色をリンクさせていました。
高品質な革を使用したハイエンドな家具メーカー「Poltrona Frau」(ポルトロ―ナ・フラウ)。
展示ブース全体を障子のような建具でつくりこみ、ディスプレイにはモミジが飾られていました。
2016年秋に移転した「Armani/CASA Milano」。
日本にアルマーニホテルがあったらこんな感じ?というくらいもうジャパニーズデザイン全開!
座布団で床座するスタイル提案だったり、屏風に日本的な柄のファブリックだったり。
提灯のようなデザインのフロアーライトも。

あくまでも私の主観的目線ではありますが…
なんとなく頭に入れておいていただいて、これから続々と雑誌やWebでのミラノサローネ特集をご覧になったり、各メーカーの報告会をお聴きになるとおもしろいかと。ご参考になれば嬉しいです!

【Milano 1】 世界最大デザインイベント ミラノサローネとは

Buon giorno!
イタリアから無事に帰国しました。
今回は名古屋の気の合うインテリアコーディネーターの方と2人旅。
連日とてもいいお天気。足が棒になるほど歩きまわり、多くの刺激を受けたいい旅となりました。
ということで、滞在レポートを8回に分けてお届けさせていただきますのでお付き合いください。もう情報が多すぎて最小限にしようと思っても8回になっちゃう(笑)
滞在レポート 1はミラノサローネについて。

■ミラノサローネとは?
ミラノサローネって聞いたことはあるが何をしているのだろう?と思われる方もいるかと。
毎年4月にミラノで開催される世界最大規模の家具見本市「ミラノサローネ国際家具見本市」の通称。
正式名は「Salone del Mobile.Milano」( サローネ・デル・モービレ・ミラノ)です。
1961年にイタリア家具やインテリア小物の輸出を促進するために誕生したもので「Fiera」(フィエラ)と呼ばれる見本市会場で開催されています。また、見本市会場だけでなく「Fuori Salone」(フォーリサローネ、サローネの外という意味)と呼ばれるミラノ市内の様々な地区で行われる展示も盛り上がっています。現在はその総称として「Milano Design Week」が1週間行われており、サローネとフォーリサローネを合わせた全体で100万人規模の人々で賑わう世界一のデザインイベント。
ミラノサローネに行ってきます!ということは、見本市会場とミラノ市内を回ることなのです。

■ ミラノサローネ Fiera(フィエラ会場)
会場までは、ミラノ中心街から約30分ほど。
地下鉄やバスでももちろん行けますが、1日のみ会場に行く予定でしたのでささっと会場入りし、疲れるのでささっと帰れるよう事前に日本からホテルと会場間の送迎車を予約しました。
その話を他の方にしたら、「マダムすぎる!」と言われましたが(笑)
ただ、今年は会場に行く日が地下鉄ストがありまして(えっ?サローネ中にやるの?人がたくさん集まるからストの意味があるのでしょうが・汗)スムーズに行けたのでよかったなと思います。
基本的に業界関係者対象となっていまして、ミラノサローネ日本公式サイトで事前登録が必要です。入場料は1日26€、サイトから事前チケット購入可能。こちらが会場入り口です。

会場マップ、ホールが分かれていまして1つ1つまわっていきます。
ちなみに黄色のホールは「Euroluce」(ユーロルーチェ)照明器具と、「Eurocucina」(ユーロクッチーナ)キッチンが隔年で開催されていて、今年は「Euroluce」でした。

毎年行かれている方達から「全部見るのに3日は必要」「ものすごく広いからピックアップしていかないと大変」と聞いてはいましたが、もうほんっとに広くてすごい人でした(笑)
今回は事前に会場マップを手に入れて、どこを見るか計画してまわりました。

会場内はカフェレストランが何店もあり、ここでランチやお茶ができます。
お天気がよくさわやかで、皆さん外でシャンパンやワインを飲みながら休憩していました。

また詳細については後日のレポートをお楽しみに~♪

■ フォーリサローネ Brera(ブレラ地区)
ミラノサローネ フィエラ会場以外で最も盛り上がっているのがブレラ地区です。
ハイエンドホテル、インテリアショールーム、ブランドショップなどが集まるこれぞミラノ!というおしゃれ地区。サローネ期間中は様々なショールームやショップでデザインイベントを開催しています。多すぎて全ては無理ですが、こちらも行きたいところをピックアップし、あとは歩きながら気になるショップを見てまわりました。


街全体がデザインに溢れています。

イタリア国立ブレラ美術アカデミーでは、「GO ON + Panasonic Design」が出展していました。

京都の伝統工芸を受け継ぐ若手ユニット「GO ON」と「Panasonic」のコラボによる新しいクラフト家電。大人気で並んで入場待ち、ブレラ美術アカデミーの空間を最大限に使った五感に響く演出がとてもおもしろかったです。海外の方が夢中に見ていてなんだか日本人としてとても嬉しく素晴らしかったなぁと思ったら、約2,000社の出展企業から選出される「ミラノ デザインアワード」において、ベストストーリーテリング賞(the Best Storytelling Award)を受賞したとのこと。
そのインスタレーションの様子をYouTubeで視聴できますので、ぜひご覧になってみてください☆

■フォーレサローネ Zona Tortona(トルトーナ地区)
ドゥオモなどの中心エリアから少し離れた地下鉄ポルタジェノバ駅周辺の地区。
駅前はブレラ地区とまた違い、のんびりとした雰囲気。

邸宅や倉庫・ギャラリーなどを使い、こちらでも様々なデザインイベントが開催されていました。
素敵なギャラリーやかわいいショップばかりで、目的のショールームにたどり着くのに時間がかかりました(笑)

おなじみSTOKKE「TRIPP TRAPP」、ビックサイズが路上に登場!おもしろ~い!

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