インテリアコーディネーター荒井詩万のブログ

【London 3】憧れのkit kempデザインホテルに泊まる

ロンドン滞在レポートNO.3!
以前目にしたこちらのサイトでのKit Kempさんのインタビュー記事。
「確かに私は、どの部屋もどこかユニークさを感じさせるものにしたい、しかも、人の好奇心を掻き立てるようなものにしたいって考えていますね。ホテルを訪れるというのは、ちょっと冒険に出たような体験であるべきだと思うんです。実際それは、家庭でも実現したいもの。これまでに出た旅の経験や、目にしてきたことなんかを(インテリアデザインに)取り入れ、そこに例えば、買ったブランケットを椅子にして置けたら、より個性的な空間になりますよね。」

私はどの国を訪れてもホテルの部屋を開ける瞬間のワクワク感が好きです。
それは冒険。日常から非日常につながるような高揚感。
その体験や経験を自宅のインテリアに取り入れて、より個性的な空間に。そう!そうなのよ!とうなずき、彼女がつくり出すインテリアの写真を見て度肝を抜きました!
カラフルで華やか、でも品がよくてリラックスできる。私自身が好きで目指すコーディネートだ。
というわけで、今回はどうしてもkit kempデザインのホテルに泊まりたい!と思っていました。

上質で素敵なホテルばかりのロンドンで、現在まさに“旬”なのが「Firmdale Hotels」(ファームデール・ホテルズ)グループのホテル。ロンドンに8つ、NYに2つ展開しています。共同経営者でもあり、その全てのインテリアデザインを手掛けているのがKit Kemp(キット・ケンプ)です。ホテルの立地やサービスはもちろんですが、私のように彼女のデザインを目当に宿泊したい!と思う人がたくさんいることでしょう。なんと御年60歳ですって!見えない!衰えるどころかそのセンスが進化し続けているのもすごくて憧れちゃう。

宿泊したのは、ピカデリーサーカスに近い「Haymarket Hotel」(ヘイマーケット・ホテル)。
今回はお2人のインテリアコーディネーターの方と旅をご一緒しまして、それぞれ部屋を予約。なので一度に3部屋のインテリアを見ちゃうという。もう興奮しすぎて鼻血が出そうになりました(笑)
というわけで、3部屋をいっきにご紹介しちゃいます。

【ROOM1】
私の宿泊したお部屋です。グレーとオレンジがアクセント。

柄に柄を重ねながらバランスのとれたカラースキーム。壁は布クロス、デニムのような風合い。
Kit Kempの特徴であるベッドヘッドボード。ファブリック張り、スタッド(鋲止め)。
これを見て、みんな「絶対オリジナルでベッドヘッドボードつくりたい!」と思うはず。私たちも具体的にどこのメーカーや業者さんでつくれるのか、コストはどのくらいかを話合いました(笑)

チェック柄の1人掛チェア。上部のオレンジはベッドの足もとにあるオットマンの同じ合革素材。
オットマンの上にポーターがトランクを置いていたので、基本的にここで荷物を広げることを想定しているのでしょう。(私は床に広げちゃったけど・笑) 人が触れることが多い部分を合革素材にすることでデザイン性はもちろん、耐久性やメンテナンスなどの機能性も考えられているなぁと感じました。(と、感じていたら他の2部屋は普通にファブリック張りだった・汗)
窓まわりです。機能的なロールスクリーンと装飾としてのカーテンのコンビ。カーテンボックスはなし、装飾カーテンレールもなし。上部をカーテンと同生地でくるみレールを見せないようにしていました。カーテンの裾は5㎝くらい長め。このちょろんとした長さがエレガントすぎずモダンすぎないちょうどよいデザインに。これいいなぁ。日本だと「採寸間違えちゃったかしら?」になりそうなので、お客様にはこの画像を見せてプレゼンしよう(笑)
裏は一枚綿を入れて、遮光裏地を縫いつけてあります。けっこうざっくりとした手縫いでした。

水回りは、予想外にシンプル。2ボウルでシャワーブースとバスタブがあり機能的。
バスタブのエプロン部分、ここに木を使って照明を埋め込んでいるところがさすがでした。

クローゼットの中、置いてある小物類も色が統一されています。
Firmdale Hotelsのシグネチャーであるトルソーのロゴがついたランドリーバッグ。ちなみにこのトルソーはどのお部屋にもファブリック張りで置いてあります。

【廊下】
さぁ、他のお部屋も見せてもらいにいきますよ!廊下の壁紙もかわいい。こちらは紙クロス。

部屋の案内プレートもかわいい。

【Room 2】
イエローとネイビーがアクセント。どの部屋もベッドは高さ70cm、かなり高めですね。

ベッドヘッドやチェアの柄が大人っぽい雰囲気。

こちらはソファです。アートと照明、クッションの色がリンクしています。

フリンジつきカーテン、やはりこのちょろんとした絶妙な長さがよい。
ROOM1では壁掛けTVでしたが、こちらはTVボード。ベッド側、ソファ側両方から見れるよう天板が回転するオリジナルデザイン。【ROOM 3】
レッドとネイビーがアクセント。どの部屋もFLOSのペンダントライトでした。
ベッドヘッドボードは直線ライン。壁紙のストライプに合わせてシャープに。

こちらもソファ。ミラーをアートのように飾ってあり、空間がより広く感じます。

柄に柄を重ねていますが、基本的に使っている色はレッド・ネイビー・ゴールド。
色を3色にしぼることですっきりとまとまっています。このファブリック合わせ、かなり計算されているのがわかります。そして、カーテンに皆で大興奮!切替えの間に革をパイピングで入れているの。いちいち素敵すぎる♪

【London 2】160年前の建物をリノベしたクールなブティックホテル

ロンドン滞在レポートNO.2!
KLC School of Design研修で訪れたのは、1852年に建てられた公営住宅をリノベーションしたブティックホテル。『Artist Residence LONDON』、“LONDON Hotel Of The Year”Cesar Award 2016にてGood Hotel Guideに選ばれています。オーナーの方からオープンの経緯や詳細をお聞きしました。
今から160年前の建物、改装前はボロボロで1Fから空が見えたそう(笑)
何がすごいって、このリノベーションをインテリアデザイナーは入れずに全て若いオーナーご夫婦が自分でデザインしているところ。施工はもちろん業者さんが入っていますが10部屋あるインテリアは全て自分たちで考えセレクトしているのです。全くの素人ながらその審美眼がすばらしく、ロンドンのインテリア文化の底力を感じます。4部屋を見せていただきました。

【ROOM1】
グレーにブリリアントピンクのアートがぴりっと効いた部屋。家具はユーズドのものが多いそう。
どこで探すのかを聞いたらインターネットオークション「eBay」ですって。

お酒やグラスは壁掛けに。水回りへの扉、こうきますか!笑  【ROOM2】
こちらはややクラシックなベッドヘッド。
合わせるのはエッジの効いたキャビネットやアート。黒電話もいい味を出しています。

うわ!水回りのタイルがかわいい♪
【ROOM3】
ラスティックなレンガはそのまま使い、冷蔵庫を置いています。鹿のアートがある!笑【ROOM4】
この鹿の角の照明もすてき!

レンガと古木を合わせた水回り、ベッドスペースからオープンです。日本だと湿気のことを考えてしまいますが、そんなことは気にしないのね。
【パーティースペース&トイレ】
どれもフォーマルすぎず肩の力を抜いて寛げる空間。ラスティックな素材、アートのあるアーティスティックなインテリア。インダストリアルで男前なインテリアは日本でもここ数年ブーム。そこにアートや小物でエッジを効かせる手法はぜひ取り入れたいと思いました。

包み込まれるように眠るベットルーム

3月オープンの『エクシブ湯河原離宮』に行ってきました。
“琳派モダン”がコンセプト、ベッドルームも黒に金と銀をプラスしたカラースキーム。色は抑えめですがかなり凝ったデザイン、ベッドヘッドの曲線とライティングが効いていますよね。

この壁、どうやってつくってるの~??
建築士の夫によれば
曲面施工が容易な「FGボード」だそうです。このやわらかな曲線が包み込まれるような安心感があり、よく眠れました。
ベッドヘッドは凹凸のある和紙のような淡い金色の壁紙。照明に照らされ陰影が美しい。
左右の壁とは目透かし( 二つの部材の接合部にすき間をあけておくこと)で納めたディテール。うわ、これ大工さん泣かせだったでしょうね(汗)
デザインを考えた方もすごいけど、つくった方もすごい!

温泉、緑、美味しい料理。幸せな時間でした。さぁ、また頑張ります♪

【Firenze1】 5ッ星ラグジュアリーホテルに泊まる

イタリア滞在レポート7!
ミラノ中央駅から鉄道ITALOでフィレンツェへ。
サローネ期間中はミラノ市内ホテルの金額が通常の3倍くらいになっていましたし、毎日朝から夜まで外出していたのでスーペリアクラスの「Starhotels Anderson」に宿泊しました。(モダンな内装で駅から近くとても便利でしたのでおすすめ!)
でも、フィレンツェは素敵なホテルでゆっくり寛ぎたいよね~ということで…
宿泊先に選んだのは「The St. Regis Florence」(セントレジスフローレンス)、5ッ星ラグジュアリーホテルです。18世紀の貴族の邸宅を改装してつくられた「グランドホテルフィレンツェ」が、2011年に「セントレジスフローレンス」として新たに改装してオープン。アルノ川沿いに面し、ウフィツィ美術館やサンタ・マリア・ノヴェッラ教会にも近いフィレンツェの中心に位置します。
一歩中に足を踏み入れた瞬間、「きゃ~!!!」と思わず声が出る素敵な空間。

奥のデスクでチェックイン。スタッフの皆さんはとてもにこやかに丁寧な対応で心地がよい。
クラシックとモダンのミックスするラグジュアリーなラウンジスペース。
さぁ、部屋に向かいます。階段や廊下の色合いが落ち着いていて品がよい。
この奥が部屋です。鍵を開けて中に入る時のドキドキワクワクが大好き。

入った瞬間、また「きゃ~!!!」(笑)
白・グレーをベースに、赤・黄・青がアクセントカラー。

ベッドヘッドはトリムを使ってオリジナルデザインに。

窓装飾はシアーカーテン、ストライプの遮光裏地付両開きカーテン、装飾用両開きカーテンの組合せ。

キャノピー(ベッド上の装飾天蓋)、カーテン、カーペットとパーフェクトなカラースキーム!鮮やかなロイヤルブルーのベルベッドクッションが効いています。

ベッドヘッドと左右の壁はモールディングをまわしてファブリック貼り、トリムもまわしてあります。おさまりがきれいだなぁ。ライトグレーのテクスチャーが美しいファブリックは、クッションのパイピングやベッドヘッドの装飾トリムと色をリンクしているのでお部屋全体がつながりますし、ファブリックのやわらかさが心地よい空気感をつくっていました。ここにグレーを入れたことで品よく、アクセントカラーが引き立つようにまとまっているのだと思います。
空調の吹き出し口もひと工夫。セントレジスのマーク入り、天使ちゃんがいます。
洗面台は2ボウル、バスタブと別にシャワーブースあり。ミラー貼りなのでとても広く感じます。
窓からはアルノ川の美しい景色が見えます。朝に夕に変わりゆく街の色を楽しみました。
そして、こちらが有名なホテル内「Winter Garden by Caino」。ミシュランの星付きレストラン。
吹抜けの天井にはステンドグラス、ゴージャスなシャンデリアにうっとり。
朝食は上階、バルコニーの席に座りこの空間を見下ろしながらいただけます。(アメリカンブレックファーストスタイル、具をセレクトして目の前でつくってくれるオムレツがとても美味しかった!)
夜はピアノ生演奏でカクテルを飲みながら、大人な時間を楽しみました。

素敵なスタッフに「あなたの写真を撮らしていただけますか?」と聞いたら…
「待って!カウンターでシェイクしているところがいいよね?」とノリノリな彼。Grazie!笑
滞在は2泊、とても優雅で豊かな時間を過ごしました。
人はもちろん、空間のホスピタリティって大切だなと改めて思います。
昨年行ったハノイ「Sofitel Legend Metropole Hanoi」が今まで宿泊したホテルの中で一番でしたが(滞在レポートはこちら)、それに並ぶ心地よい空間でした。

【Milano 6】 洗練のハイエンドホテルでランチを楽しむ

イタリア滞在レポー6!
インテリアを学びながらも、ハイエンドホテルでゆっくりランチを楽しみた~い!
ということで2つのホテルをご紹介します。

■ BVLGARI HOTEL MILANO
ミラノ市内中心部から少し奥まった場所にひっそりと佇む18世紀の建物を品よく改装したホテル。
エントランスから中に入るとラウンジ。シンプルモダンな上質家具。
明るく緑豊かな中庭にあるレストラン。風の音、鳥の鳴き声を感じる都会の中のリゾート。
ここ!ここ!ここに来たかったのです~♪
そして、レストランで食事をする男女が皆ハイセンス!思わず見惚れるかっこよさの方ばかり。マダムもハイヒールでかつかつ歩いていてほんと素敵☆
ブルガリホテルの中庭でスプマンテ!これを楽しみに仕事を頑張ったと言っても過言ではない(笑)
サラダや前菜・パスタなど4種類のプレートが並ぶランチボックス。どれも美味しかったです♪

ちなみにブルガリホテルに行ったのが初日のランチ、まだインテリアショップもミラノサローネ会場も全く見ていない時。まずはここから!あはっ(笑)
12:30からランチタイムですが、私たちは少し前に到着。先に席に通されゆっくりスプマンテを楽しんでいる間にどんどん人が入って来ました。ランチに行かれる方は早めがおすすめです。

■ Armani Hotel Milano
地下鉄モンテナポレオーネ駅からすぐのロケーション。
1Fからエレベーターで最上階に上がり一歩足を踏み入れると、そこは都会の喧騒の中にありながらラグジュアリーで静謐な空間が広がっていました。もちろんジョルジオ・アルマーニ自身が全ての内装デザイン・監修をした「Bamboo Bar」です。ここで軽いランチを楽しみました。
アルマーニの世界観そのままのカラースキームと、ラグジュアリーな素材感。
洗練された空間からはミラノの街を望めます。
テーブル、カトラリー、ナプキン。この絶妙な色合わせにしびれる!
この日はビール!旅行中の昼間に飲むビールっていつも以上に美味しく感じる(笑)
アルマーニホテルはランチ時間よりも遅かったので空いていました。
スイーツも美味しいそうなので、行かれる方はぜひ!

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